− Profile 【Tenor】 澤武 紀行 (さわぶ のりゆき) −
桐朋学園大学声楽科、東京藝術大学声楽科の両校に合格し、桐朋学園大学を首席で卒業。同大学研究科を修了後、国際ロータリー財団2610地区より国際親善奨学生に選出され、音楽の都オーストリア・ザルツブルクへ。モーツァルテウム音楽大学で学んだのち、ブルックナー音楽大学オペラ科へ編入し卒業。
在学中、ドイツ・ハウツェンベルク音楽祭にてモーツァルト《後宮からの逃走》ベルモンテ役でヨーロッパ・オペラデビュー。以後、ベルリン国立歌劇場、ルーマニア国立歌劇場、ブラウンシュヴァイク国立劇場、リンツ州立歌劇場、ヴッパタール劇場、ハッレ歌劇場、フォアポンメルン州立劇場(専属テノールソリスト)など、名門劇場・音楽祭のに出演。さらに、ハンガリーオペレッタ劇場キュンストラーハウスのヨーロッパツアー《微笑みの国》では主役スーホンを務め、喝采を浴びた。
バロックから現代作品まで幅広いレパートリーを誇り、コミカルな役からシリアスな役までこなす。その中でも、アジリタ技巧を駆使した歌唱と、ドイツ語による近現代作品へのアプローチは欧州の指揮者・演出家から絶大な信頼を得ている。宗教曲の分野でも高く評価されており、例えば、難役とされるバッハ《マタイ受難曲》《ヨハネ受難曲》のエヴァンゲリスト(福音史家)は、「形式を守りながらも祈りに満ちた劇的な表現で聴衆を深く揺さぶる。次代の新しい福音史家」と称賛されている。
また、クラシックの枠を超えた活動にも積極的で、NHK富山・北日本放送のほか、東京MX『五時に夢中!』、テレビ東京『ひるソン』、日本テレビ『クリエーターズスペース』、BSよしもと『チーキーズaGOGO』など多彩なメディアに出演。舞台と放送の双方で存在感を放つ“二刀流オペラ歌手”として注目を集めている。
作曲家としても活動し、大伴家持の詩に作曲した作品を、上皇上皇后両陛下御前演奏で自ら歌唱。射水市立新湊中学校、放生津小学校、高岡市国吉義務教育学校の校歌作曲を手がけるなど、地域文化にも深く根ざした創作活動を続けている。
現在、富山銀行オフィシャルパートナー、KNBラジオ「夢見るクラシック」ナビゲーター、同局「とれたてワイド朝生 木曜日」および「フライデースペシャル〜澤武紀行のどこのドイツだ!〜」のパーソナリティーを務める。氷見第九総監督、氷見市国際芸術文化交流大使、富山県警交通安全うたごえ大使、いみずPR大使としても活動をする。
これまでに、とやま賞、射水市市政功労賞、北日本新聞芸術選奨、氷見市ありがとう賞などを受賞。「音楽を通して“祈り”と“希望”を歌い続ける」が、彼の哲学である。